株主・投資家事業等のリスク

当社グル一プの財政状態、経営成績等に影響を及ぼすリスクとして以下の事項があり、これらは投資者の判断に影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グル一プが判断したものであります。

1.経済・市況等に係るもの
    1. 当社グル一プの業績・財務状況は、当社グル一プが製品を販売する国・地域経済状況のほか、当社グル一プの顧客企業や市場の動向、他社との競合による市場価格の変動等の影響を受けます。これらの影響を最小化すべく、グル一プ各社業績および業績指標推移の定期的なモニタリングの実施により、地域・市場分野毎の事業特性分析、収益性評価、低収益資産の整理等を通じ、地域事業の強化を図るとともに、グル一プ経営の安定化を推進してまいります。
    2. 当社グル一プが生産活動で使用する原材料は、世界的な経済動向による需給バランス、為替変動等の影響を受けます。これらの急激な高騰は生産コスト上昇につながり、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、一部の特殊な原材料については限定的な調達ソ一スによるものがあります。これらの影響を最小化すべく、ハイリスクな原材料、または使途先が限定される原材料につき、選定し代替原材料を検討するとともに、他の原材料への統合も図ってまいります。
    3. 為替、金利等の相場変動については、一部についてヘッジ取引を行っておりますが、当社グル一プの業績・財務状況に影響を及ぼします。また、連結財務諸表の作成にあたっては、海外グル一プ会社の財務諸表等を外貨から円貨に換算しており、外貨建数値に変動がない場合でも、為替相場の変動が円換算後の連結財務諸表に影響を及ぼします。これらの影響を最小化すべく、デリバティブ取引実績や残高などは、経営会議・取締役会へ定期的に報告し、これら内容を含むオフバランス取引についても、モニタリングを実施しております。
    4. 従業員の退職給付債務および退職給付費用は、割引率等の年金数理計算上の前提条件や年金資産の期待運用収益率等に基づいて算出されておりますが、前提条件が変更された場合、または前提条件と実際の結果との間に著しい乖離が発生した場合には、積立不足の発生等により、当社グル一プの業績・財務状況に影響を及ぼします。なお、これら要素の一部については、外部機関へ運用支援を委託することにより影響の緩和を図っております。
2.法律・規制、社会的・政治的要因等に係るもの
    1. 当社グル一プが事業活動を行う国・地域における予期せぬ法律・税制変更など、政治的要因、戦争やテロが当社の事業活動・業績に影響を及ぼす可能性があります。これらの影響を最小化すべく、事業拠点の多様化・最適化を進める中で、カントリ一リスクの検証を含む、国際情勢の情報収集に努めてまいります。
    2. 当社グル一プの国内外の事業活動に関連し、訴訟、係争、その他の法的手続きの対象となるリスクがあり、重大な訴訟等が提起された場合には、当社グル一プの業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これらの影響を最小化すべく、専門家のサポ一ト体制を拡充し連携を密にして、訴訟等が発生した場合には、迅速かつ適切に対応する体制をとっております。
    3. 当社グル一プは、知的財産についての管理規程を定め、充分な調査および管理を行ってリスクを最小限にするよう努めておりますが、他者との間で、当社グル一プの保有する特許その他の知的財産、または他者の保有する知的財産に係る訴訟等の紛争が発生した場合、当社グル一プの業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの影響を最小化すべく、他者の権利を侵害する可能性を市場展開前にチェックしており、研究開発テ一マを設定する際にもその可能性を調査しております。
    4. 当社グル一プは、事業活動を行う上で、さまざまな法規制の適用を受けております。これらの法令等に対する違反や社会的要請に反した行動等により、処罰・訴訟の発生、社会的制裁またはステ一クホルダ一の信頼失墜に繋がり、業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。当社は、法令等の遵守はもとより企業としての社会的責任を果たすため、「利益と公正」を企業活動の基軸とする行動指針を明確に打ち出しておりますが、それにもかかわらず当社グル一プおよび関係先等が重大なコンプライアンス違反を発生させた場合、当社グル一プの信用・業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これらの影響を最小化すべく、「コンプライアンス推進委員会」を主体として、組織的に社内教育・啓蒙活動を推進しております。
3.製品、品質の要因によるもの
    1. 当社グル一プは、品質管理基準に従って製品の製造を行っており、また、製造物責任賠償保険に加入しておりますが、万一、製造物責任賠償保険で填補しえない製品の欠陥による損失が発生した場合には、当社グル一プの業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの影響を最小化すべく、品質保証体制の整備に努めております。
4.新型コロナウイルス等の感染症拡大によるもの
    1. 当社グル一プは、国内外の事業展開において、新型コロナウイルス感染症は感染症法上の位置づけが変わり、今後は経済活動が持ち直していくと考えておりますが、同感染症が再び蔓延した場合、または新たな感染症が発生・拡大した場合には、当社グル一プの業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの影響を最小化すべく、対策委員会や専門部会を設置し、タイムリ一かつ効果的な対策を検討の上、通達やマニュアル等の発信を行い、従業員の安全確保と事業を継続するための統制、およびグル一プ各社との連携を図って対処する体制としております。
5.環境・気候変動によるもの
    1. 当社グル一プは、環境・気候変動・安全・健康問題に対してより総合的な見地から地球環境保全の取組を行っておりますが、気候変動による地球規模での気温上昇の影響を抑えるための社会的課題に対し適切な解決ができない場合、あるいは万一、予期せぬ環境汚染等による第三者への損害および社会的信用の低下等に伴う損失が発生した場合には、当社グル一プの業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの影響を最小化すべく、当社は、地球環境に関する会社⽅針を定め、製品の環境負荷低減、製品安全の確保、お客さまへの情報提供などをトップ診断の下で活動を行っています。また、気候変動に関しては、TCFDに賛同を表明し、その指針に沿ったシナリオ分析等について京都大学と産学連携で進めていく体制としております。
6.⾃然災害・事故災害によるもの
    1. 当社グル一プは、事故発生の未然防止、また災害発生時の被害軽減を図るため、国内外グル一プでの教育・啓蒙、施設・設備等の対策、点検整備および事業継続計画に基づく生産拠点の分散化等の対策に取り組んでおりますが、万一、損害保険等で填補しえない⾃然災害を含む事故・災害が発生した場合には、当社グル一プの業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの影響を最小化すべく、「リスク管理委員会」を設置し、災害発生時の、主にサプライチェ一ンにおけるBCP文書の策定や訓練実施など、事業継続計画の精緻化推進を行っております。また、損害保険の付保内容については、外部機関による妥当性の評価を受けるなどして適正化を図っております。
7.その他
    1. 当社グル一プは、事業の展開によっては、技術提携、合弁等の形態で他社と共同活動を行っておりますが、共同活動の当事者間で歩調の不一致等が生じた場合は、当社グル一プの業績・財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。これらの影響を最小化すべく、事業部門制に基づき、グル一プ会社の管掌を明確化し、連携強化に努め、また合弁事業については当社から役員を派遣するなど、適切な関係を以って事業活動が推進されるよう努めております。
    2. 当社グル一プは、事業活動におけるITの効率的活用により、ITシステムへの依存度は高まっておりますが、これら機密情報等に対するサイバ一攻撃や、機器やソフトウェアの障害に伴う事業中断・損害の発生、個人情報を含む機密情報の漏洩等のリスクがあります。これらのリスクが顕在化した場合、当社グル一プの事業活動に支障が生じ、当社グル一プの業績・財務状況に影響を与える可能性があります。これらの影響を最小化すべく、部門横断の「情報セキュリティ委員会」を設置し、事故防止や攻撃防御に関する教育・啓蒙活動、および監視システムの導入等、対策を推進する体制としております。
    3. 当社グル一プにおいては、メディアやSNSを媒体とした情報発信やブランディング活動を推進していくことが想定され、当社グル一プの情報発信等における不適切な表現が、SNS等を通じて拡散された場合、あるいは当社グル一プの誤った情報が拡散された場合、当社グル一プのブランド価値や企業の信用を低下させる可能性があります。これらの影響を最小化すべく、ホームページやSNSの運用体制・ガイドラインを整備するとともに、チェック体制を整備しております。
    4. 当社グル一プが、今後持続的成⻑を成していくためには、必要となる専門性を有する、あるいはグロ一バル視点で実行力・構想力を有する人財の計画的確保と育成が必要でありますが、人財の確保や定着が達成されず事業活動に支障が出る場合には、業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。これらの影響を最小化すべく、人事制度改訂やエンゲ一ジメントを高める活動の推進、多様な人財が活躍するための土壌醸成を進めております。