自宅
空気の質を改善し、森の香りがする穏やかな空間に
Chapter.1
生活臭を解消し、新鮮な空気に満たされたリビングへ
今回ご紹介するのは、築後33年のLDKワンルーム。当時、LDKワンルームは一般住宅の間取りとしては斬新でした。部屋数志向に代わる新しいスタイルで、対面式キッチンもとても先進的。開放感と機能性がその後も定番になりましたが、料理のにおいが残るため、年数が経つにつれ生活臭となって気になっていたとのこと。
また、お孫さんの誕生で赤ちゃんとの同居予定もあったことから、空気の“質”にこだわって本格的な室内空間の改善をするためリフォームされることになりました。
Chapter.2
香り・光・動き……。空気の質を“デザイン”する
空間に漂う生活臭や湿気をいかに取り除くかを考えた結果、伝統的に使われてきた素材である漆喰の持つ機能に着目したそう。
「先人の知恵とは凄いもので、日本家屋の壁に使われていた漆喰には消臭や調湿の効果がありました。しかも漆喰は自然由来の成分。その特徴をそのままに塗料製品化した漆喰塗料『アレスシックイ』は、きっと今回のリフォームに合ったものだと確信しました」。こうしてLDKの壁、天井すべてにアレスシックイが採用されました。
クロスの上から塗っても消臭・調湿効果が期待できることから、壁紙のテクスチャーをそのまま残し、上塗りすることで既存の壁紙とアレスシックイ双方の特徴を生かしたコーディネートが実現。また、玄関・階段室・トイレ・洗面などの水回り、さらには靴収納と一体の玄関収納内にもアレスシックイを採用。ほとんどの壁と天井に、消臭、調湿機能を持たせました。
「空気の“質”」をテーマにした創意工夫はさらに続きます。もともと家の風通しは良かったそうで、リフォームでは空間の風の通り道と採光の見直しにこだわったとか。二間幅のドレープ&レースのウィンドウトリートメントを幅広の引き込み障子に改めて、漆喰の柔らかい光の反射を空間の表情に生かすことを狙いました。午後に西からの日差しに変わったら、二本の障子を開放してデッキ越しの庭の景観を取り込んだダイナミックな変化を楽しみたいという想いがあったのです。
今回のリフォームでは、既存のLDKにアトリエとウッドデッキを増築することも計画されました。実はここにこそ、大きなこだわりがあったとか。1階部分にアトリエを増築し、大きな窓から風と光が入るようになりました。実際に足を踏み入れてみると、まるで森の中に抱かれているような木の香りが。壁に無垢のヒバ材を使ったそうで、リビングが無臭な分部屋の木の香りが際立ちます。空気の動き、光、そして香りまでをデザインし、深みのある空間が生まれました。
Chapter.3
空気の質が改善し、より清潔な空間に
生まれ変わったお宅では、においの強い料理を作っても翌朝に残らなくなったそう。この清々しい空気を生み出すために、採用したアレスシックイも重要な役割を果たしてくれている様子。
そもそも消臭や調湿の機能を持つ漆喰は“呼吸する壁”と呼ばれるほど、吸湿と放湿を繰り返す素材。空気中にあるにおいや湿気を吸収・浄化する機能を壁が備えた結果、空気の質を大幅に改善してくれたのだそうです。リフォーム後は、冬場の窓周りの結露もなくなり、カビの心配も解消し、より清潔な空間に生まれ変わったようです。お孫さんの滞在にむけて、アレスシックイの持つ“抗菌機能”と“揮発性有機化合物(VOC)の吸着除去機能”にも期待されていました。
また、デザイン面においても、「アレスシックイの質感が自然光とマッチして穏やかな空間を演出してくれている」と満足げなご様子でした。